阪神淡路大震災 20 周年事業

加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸 2015

東北と神戸を繋ぐドキュメンタリー映画上映
監督:青池憲司

日時:1月15日(木)
13:00 『阪神大震災 再生の日々を生きる』(2時間36分)(記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』全14部の集成篇)
16:00  青池監督 講演(45分)ゲストスピーカー 野田北部まちづくり協議会事務局長 河合節二
17:00 『3月11日を生きて―石巻・門脇小・人びと・ことば―』(1時間37分)


会場:ワークショップスペース1(2F)


「阪神大震災 再生の日々を生きる」記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』全14部の総集編 2000/日本/156分
「3月11日を生きて〜石巻・門脇小・人びと・ことば〜」2012/日本/157分

青池監督からのメッセージ「わたしの震災/KOBEそしてISHINOMAKI」
わたしは、40年ちかく映画の仕事をしているが、その間に2度「未曾有」といわれる大災害に遭遇した。阪神大震災と東日本大震災である。阪神大震災(1995年1月17日)の被災地KOBEに入ったのは、10日後の27日だった。神戸市長田区に住む友人を見舞うのが目的だった。わたしが、そこで目にしたのは一面に広がる焼け野原と全壊半壊の住宅だった。事前にテレビや新聞で承知していたとはいえ衝撃だった。同時に、惨状のなかで立ち働く住民さんの姿も見た。被災地の人びとは、精神的にも物理的にも闇黒な状況にありながら手を拱いてはいなかった。この人たちの「いま」を映像で記憶しておきたいと思い、同行した村本勝(映画編集者)と撮影を始めた。カメラは、住民さんが半壊の自宅から探しだしてくれた家庭用のビデオ機材をお借りした。最初は親しい人しか撮らなかった。親しい人がだんだんふえていったとき、この人たちとまち(地域)の復興の日日を撮ろうときめた。コミュニティの再生過程を。こうして始まった作業は、足掛け5年の住民復興活動記録「記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』全14部」として完成した。本日上映の『阪神大震災 再生の日々を生きる』 (2000/日本)は、その集成篇である。(野田北部を記録する会http://nodahokubu.web.fc2.com/)東日本大震災では、被災地ISHINOMAKIに2011年6月から2012年4月まで滞在して、石巻市立門脇小学校のドキュメンタリー映画をつくった。この映画製作のきっかけは被災地に住む知人たちの、「宮城で震災後を生きるこどもたちの記録をつくりませんか」という呼びかけだった。KOBE同様、震災まえからのつながりがあり、さらに、被災市民と協働の映画づくりとなった。こどもたちの成長と、その磁場である学校、保護者や地域の人たちのくらしとコミュニティづくりなど、困難のさなかにある被災地の「いま」を記録した。『3月11日を生きて―石巻・門脇小・人びと・ことば―』(2012/日本)『津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録~』の2作品である。(青池組@宮城応援ページhttp://www.shinsaihatsu.com/org/aoike-miyagi/)両大震災の作品群で、わたしとスタッフが提示したのは、復興期を活きる人びとの生活とコミュニティ活動の一時期にすぎない。しかし、そのプロセスのなかに、震後社会の新しいかたちの芽がとらえられている、と確信している。

青池憲司 Kenji Aoike
映画監督 1941年生まれ
◯ 主な作品『日本幻野祭三里塚』、『合戦』(東京都教育映画祭金賞)、『ベンポスタ・子ども共和国』(日本カトリック映画賞)、『琵琶法師 山鹿良之』(毎日映画コンクール・記録文化映画賞/文化庁優秀映画作品賞)
◯ 阪神大震災関連作品『記憶のための連作「阪神大震災 野田北部・鷹取の人びと」全14部』(日本建築学会文化賞)、『阪神大震災 再生の日々を生きる』、『多民族社会の風』
◯ 東日本大震災関連作品『3月11日を生きて―石巻・門脇小・人びと・ことば―』、『津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録~』
◯ 現在、石巻市門脇・南浜地区の人びとの暮しとコミュニティづくりを主題にした新作映画を撮影中。